昨年(2019年)11月27日に通報があったブロードリンクのHDD流出事件。
犯人はHDDを消去していれば足がつかなかったのではないだろうかと思ったので複数種類の復元ソフトで調べてみた。しかし、根本的な原因は企業としてどうかという事だが。
さて、メルカリやヤフオクにHDDを出品する場合、どの程度のHDD消去を行えばよいのかを検証したいと思う。
検証機材
- 複数年使用された1TB HDD Hitachi HDS721010CLA630
- 総使用時間:228.9 日
- 市場にリリースされた日付:01 Mar 2012
- 使用開始日:不明
下処理
- 複数年使用したHDDの用意
- 検証ソフトにてファイルの復元ができるかをチェック。
- ファイルの復元を下記#3ccleanerのドライブワイパーで削除する前に復元処理を試すが、ファイルがわんさか復元される。これはどの復元ソフトで行っても可能。
- 下処理として無料ソフトのccleanerのドライブワイパーにて1回の上書き処理を行う。何も重い処理をしていないPC上でなら数時間で済む。
検証ソフト
下記は復元作業を行ったソフトウェアであり、復元作業を行った順番を示すものではない。
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- EaseUS Data Recovery Wizard
- Disk Drill
- recoverIT
- testdisk
- photorec
- Stellar Data Recovery Professional
- Mini Tool Power Data Recovery
- Recuva
- Data Rescue Lite
EaseUS Data Recovery Wizard
4TBのNTFS HDDをext4でフォーマット+多少ファイルの上書きを行った時に虚しい結果に終わったので期待はしていなかったが1TBの今回のHDDと同じく何も復元されなかった。
ただし、復元可能ファイルのアナライズ中はHDDの使用率が100%近くなるので頑張ってくれているとは思う。
Disk Drill
復元可能ファイルはEaseUSやrecoverITと同じ結果に終わり、結果的に何も見つけることがなかった。
recoverIT
EaseUSと同じくNTFS関連のファイルしか見つけることができない。
Mini Tool Power Data Recovery
試用版だとHDDの使用率が10%にも満たなく、復元予定時間が14時間を超えていた。途中まで行ったが特になにも見つける事はなかった。
なぜ14時間を超えていたかは、試用版だとディスクアクセスに速度制限がかかっているためかと思われる。試用版だから速度制限をかけようとするのはわかるが、製品の宣伝のための試用版なのだから復元できる可能性のあるファイルを見つけるために速度も必要かと思うが。
photorec
通常はファイルが作動後すぐに何かしらが復元されるので期待していたが、全く何も最初から最後まで復元されなかったのは驚いた。
Stellar Data Recovery Professional
このソフトも基本的に何も復元はできなかった。
しかし、他のソフトと違い、ゴミ箱フォルダーの中のセキュリティ識別子(SID)はフォルダーとして復元できていたので、ここから何か分かる人はわかるかもしれないだろう。
testdisk
用途が違うので期待はしていなかったが、ファイルの復元作業という作業自体できなかった。
recuva
復元ソフトウェアの中で一般的に一番よく知られているのがrecuvaだが、削除したばかりのファイルの救出を行う用途には向いているがそれ以上の事はできない。このソフトウェア群の中では一番簡単なファイル救出ソフトなので、復元できるものはNTFS関連のファイル以外は何もなかった。
Data Rescue Lite
試用版だとアナライズ速度はだいたい16%前後でおそすぎて使い物にならない。有料版だとおそらく速度が早くなるとは思われるが、
Wise Data Recovery
試用版での復元速度は早くHDDの使用率もだいたい91%前後。
R-Studio Demo 8.13
vp6タイプの動画データが2つ発見されましたが、特に再生はできず。
結論
市販ソフトではない、業界用のソフトとハードが組み合わさった何かしらのパッケージであればドライブワイパーの一回の上書き処理で復元される可能性はなさそうである。
HDDをメルカリやヤフオクで売ったりする前にはデータをしっかり消すか、廃棄するならば物理的に壊す方が良いだろう。
ちなみに、海外のギークがやっているみたいにHDDを分解して中身のディスクを繋がてドアチャームにしたりすることも可能。
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