PoE (Power Over Ethernet)とは?

Power Over Ethernet Eye Catch(320x240)

PoE(Power over Ethernet)とは、簡単にいうとパソコンで使っているLANケーブルで電力を送り、対応している機器がその電力によって動作する仕組みの規格。

色々な機器やアプリケーションは電力がLANケーブルを伝って供給されることにより恩恵を得ている。そのおかげでネットワーク・アクセスポイントなどへ別のケーブル(電源ケーブル)を引っ張る必要はなくなった。

まずPoEとは、パソコンのLANケーブルを使用して機器に電力を送りACアダプター等を使用することなく電力を機器に供給する規格です。現在の規格にて決まっているのは給電装置側では44 ~ 57 VDCを送る事ができるが、名目上は最大で48VDC 15.4Wの電力を合計で100m以内にLANケーブルへ給電できる。(規格の説明は後述を参照。)

目次

昨今のちょっとした事情

IEEEにて策定されているPoEの規格、802.3afは2009年9月10日まではPoEとして従来の役目を果たしていましたが、2009年9月11日に正式に策定されたPoE+(PoEプラス/PoE Plus)といわれてきた802.3atでは、これからPD側にて電力を今まで以上に使うことが可能になりました。

ただし、PoE+(PoEプラス/PoE Plus)と言っていたのは基本的にはCiscoであって正式名称はIEEE 802.3at。また、CiscoはUniversal Power over Ethernet (UPoE)という規格を新たに出しました。(2011/07/07)シスコのUPoEはシスコ独自の規格です。

また、今までの802.3afの方式ではオルタナティブA方式(以下Type A)とオルタナティブB方式(以下Type B)のいずれかしか使えませんでしたが、新しく正式に策定された802.3atではこの両方の特性を活かしたA+B方式を使う事でできるようになりました。

新しい802.3atの規格にも従来の802.3afと同じくType AとType B方式があります。そして、Type A方式では最大で25.5Wの電流を流すことができ、Type Bでも25.5Wの電流を流すことが可能です。なので、今までの802.3afの規格ではType AかType Bのどちらかの方式しか使う事ができませんでしたが、新しく策定された802.3atの規格ではType AとType Bの両方の方式を同時に使う事ができ、最大で51Wの電力をPD側へ送電する事が可能です。

これが可能になった理由としてIEEEの規格団体がPDの意味を変えたから可能になったのです。

ここで、感の良い人はこんなに電流を流してケーブルが溶けて火事になったりしないだろうかと思うかもしれないが、今までの802.3afで使用を推定していたケーブルはカテゴリー3から上のケーブルであり、新しい規格の802.3atではカテゴリー5eから上のケーブルを想定しており、カテゴリー5eから上のケーブルではそれ以下のケーブルと比べてより低い抵抗を持っており熱問題が起こりにくくなっているのである。この問題について詳しく知りたい場合は、熱と抵抗と電気の関係について調べてみると良いでしょう。

IEEE 802.3af802.3atの方式の違い(Type AかType B方式の片方のみ使う場合)

規格 802.3af (Type 1) 802.3at (Type 2) (PoE+) UPoE(Cisco 独自規格)
 PSE
(給電)
 PD
(受電)
PSE
(給電)
PD
(受電)
PSE
(給電)
PD
(受電)
電圧 44.0-57.0V 37.0-57.0V 50.0-57.0V 42.5-57.0V (記載無し) (記載無し)
電流 0.35A (350mA) 0.60A (600mA) (記載無し) (記載無し)
最大消費電力 15.4W 13.0W 30W 25.5W 51W 60W
対応ケーブルの最低基準 カテゴリ3
(抵抗20Ω以下)
カテゴリ5e (クラスD) 以上
(抵抗12.5Ω以下)
サポートモード Alternative A (エンドスパン), Alternative B (ミッドスパン) Alternative A (エンドスパン), Alternative B (ミッドスパン)
クラス 0,1,2,3 4 n/a
使用するツイストペア 2本 2本 4本

タイプAとタイプB方式を両方使う場合は↑の「昨今のちょっとした事情」の第三段落あたりを読んでみて下さい。

Alternative A (エンドスパン)とAlternative B (ミッドスパン)の説明は次のページへ、

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